
新型コロナウイルスの感染拡大で、首都圏4都県に発令されている政府の緊急事態宣言は5日、3月21日まで再延長が決まった。プロ野球やサッカー・Jリーグでは興行収入に直結するだけに胸中は複雑だ。今夏の東京オリンピック・パラリンピックは観客の受け入れ判断時期が迫り、先行きを左右する2週間となる。
観客は声援を控えて静かに拍手を送り続けていた。DeNAが本拠地・横浜スタジアムにオリックスを迎えたオープン戦初戦の観客は3545人。昨年は20回以上も球場を訪れた横浜市南区の渡辺良子さん(47)は「延長は当然。そうでないと、また感染者が増える」と理解を示しつつも、長引く観客制限に「やっぱり寂しい。早く声を出して応援したいし、応援歌も歌いたい」と本音をこぼした。
緊急事態宣言下のイベントの観客の上限は5000人か収容率50%以下の少ない方に制限される。公式戦は26日に開幕を控えるが、首都圏の球団関係者は「昨年もお客さんをほとんど入れず、経営は本当に厳しい。開幕時には宣言が解除されていることを願うばかり」と危機感をにじませる。