
■3月25日/親善試合 日本―韓国(日産)
■3月30日/W杯アジア2次予選 日本―モンゴル(フクアリ) ■【動画】江坂任の“確実に仕留める”超テクゴールシーン■ 韓国戦とモンゴル戦に挑む日本代表メンバー23人。国内組で選ばれた14人の中で、南野拓実(サウサンプトン)や鎌田大地(フランクフルト)とトップ下の位置を争うのが江坂任(柏)だ。 「やっとというよりも本当にビックリ」 J2からプロ生活をスタートし、その後、所属した大宮アルディージャと柏レイソルで2年連続でJ2降格の憂き目に遭うなど、順調なサッカー人生だったわけではない。今までアンダーカテゴリーも含めて青いユニフォームとは縁遠く、28歳で初めて八咫烏を胸に戦うことになる。 「アンダーカテゴリーの代表歴もないですし、学生時代に注目された選手でもなかった。地道に目の前のことを必死にやってきた結果、ここまでこれた」
■左右両足で蹴り分けられる そんな江坂の特徴の一つに、“利き足”がある。本来は右利きの選手なのだが、左足でも同様にプレーできる。しかも、左右両足で“柔”と“剛”の両方を蹴り分けられる。そのため、事前情報なしに江坂のプレー姿を見た人は、利き足がどちらか分からない可能性もあるほどだ。 そして、トップ下の選手らしく相手の危険なエリアで落ちつきとアイデアを発揮できる。相手ディフェンダーが触れないコースを突いたスルーパスにノールックでのラストパス。そして、自らゴールを奪う能力。それは、江坂がこれまで残したJリーグでの成績を見れば、一目瞭然だ。 また、「ボールを受ける動きもそうですし、スペースを見つける作業もそう」と本人が話すように、相手選手の間でボールを受ける動きは、年々輝きを増している。ボールの受け方がいいからこそ、前線にいい形でボールを送り込むことができる。
■ボール保持時の攻撃のタクト「攻撃のところで期待されていると思うので、得点に絡むプレーをしていきたい」 そう語る江坂だが、守備でのタスクもさぼらない。ネルシーニョ監督が与える規律を守って相手からボールを奪いにいく。トランジショでは、素早くポジショニングを調整。空中戦でのバトルもいとわない。 柏では攻撃のタクトを任されており、チームがボール保持時にはフリーマンとして動くことが多い。初めてのプレーとなる日本代表で、同じ“待遇”が最初から用意されているわけではない。また、前線の選手が見知った顔でもないため、いきなり入って活躍できるかは未知数だ。 とはいえ、これまでの実績を見れば実力は十分。今季はここまでチームの低迷に合わせて目に見える結果を出せていないが、トップレベルでのプレーに胸が高まっているはずだ。
■「代表選手たちに負けない“武器”は持っている」「クオリティーのある選手が選ばれている。その選手たちに負けない“武器”は持っているとは思う。チームのために、自分が持っているものを出せれば」 闘志を隠さない強心臓も、江坂の持ち味である。 江坂がボールを持ったとき、どんなパスを出してどんなフィニッシュを導くのか。あるいは、どうシュートに持ち込むのか。Jリーグ得点王にしてMVPを生み出した“太陽王の司令塔”が、間もなく代表デビューする。
サッカー批評編集部