
夜のフクダ電子アリーナはひっそりとしていた。 カタール・ワールドカップ・アジア地区2次予選、モンゴルvs日本。「アウェイ扱い」の無観客試合。 【動画】日本対モンゴルは14-0の大差で日本の圧勝 新型コロナウィルスでモンゴルでの開催が困難なため、モンゴルが日本での開催を選択してホームとアウェイが逆転する異例の形となった。 試合開始5分前、わずかに外から中の様子を見ることができたピッチへのフォトグラファーの入口として使用されていたスペースのシャッターは固く閉ざされた。 メインスタンドから見て、左側にホームのモンゴルが青いユニフォームを着て並び、右側にはアウェイの日本が白いユニフォームを着て並んで、それぞれの国歌を聞いた。 「ああ、アウェイの試合なんだ」と改めて感じた。 日本がワールドカップ予選で初めて無観客試合を経験したのは2005年6月だった。北朝鮮は平壌でのファンの暴挙でFIFAからホーム開催を没収されて中立地でのペナルティ試合を課され、日本との試合はタイのバンコクで行われた。0-2だった。あの試合は昼間で太陽の光が白いスタンドに反射してまぶしかった。中に入れない日本のサポーターがスタジアムの外から「ニッポン」と声を張り上げていたのを覚えている。
■最多得点を大幅に更新
すでに敗退が決まっているモンゴルとの試合は「ホーム」であれ、「アウェイ」であれ、日本にとっては勝って当たり前の試合。「何点取って勝つか」くらいが話題で、少なくても前回と同じ「6点は取らないと」という思いだった。 キックオフ直後、モンゴルは果敢にプレーした。だが、長くは持たなかった。 13分、南野拓実が左足で先制ゴールを決めると、大迫勇也、鎌田大地、守田英正と続いた。オウンゴールも加わって前半5点を奪った日本は後半もゴールを取りに行った。 大迫、稲垣祥、伊東純也、古橋亨梧、伊東、古橋、が次々とネットを揺らした。 ロスタイムに入ってからも浅野拓磨、大迫、古橋が容赦なくゴールを追加した。 終わってみれば、なんと14点。大幅な記録更新だった。 過去のワールドカップ予選での日本の最多得点はカズがいた時代の1997年3月と6月の2度のマカオ戦で、10点というのがあった。