アフガン首都の爆破攻撃、死者60人超に ほとんどは女子生徒 – BBCニュース

アフガン首都の爆破攻撃、死者60人超に ほとんどは女子生徒  BBCニュース…

People bury victims of a series of blasts near a school in Kabul which killed more than 50 people

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被害者の家族たちは9日、埋葬を行った

アフガニスタンの首都カブールの中学校近くで8日にあった爆発で、確認された死者が9日までに60人を超えた。現地では、子どもを失った親たちが埋葬を行っている。

負傷者は150人以上となっている。爆発は自動車爆弾と、2個の爆破装置によるものだったとみられている。攻撃のねらいは、はっきりしていない。死者の多くは、下校途中の女子生徒たちだった。

カブールの「殉教者墓地」では、被害者のうち少数派ハザラ出身者の埋葬が行われた。AFP通信によると、女子生徒の遺体を入れた木製の棺が墓穴へと下げられていくのを、人々はショックによる放心状態で見つめていた。

付近の住民の1人は、「現場に駆けつけたら、たくさんの死体があった」、「みんな女の子だった。重なり合って倒れていた」とAFP通信に話した。

爆発発生時に現場付近にいたというザハラさんは、「同級生が死んだ。数分後、別の爆発があり、さらにもう1回あった。みんな叫び声を上げ、いたるところで血が流れていた」と記者団に話した。

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教育省のナジバ・アリアン報道官はロイター通信に、事件があった中学校は国立で、男女両方の生徒がいたと話した。被害にあった多くは女子生徒で、3回に分けて開かれる授業の2回目を受けていた生徒たちだったという。

地元報道によると、市内はイスラム教の重要な行事ラマダン(断食月)の終了を祝うイード・アルフィトルに向け、買い物客で混雑していた。

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爆発後、女性が病院に運ばれた(カブール、8日)

現場はカブール西部のダシュト・エ・バルキ地区。モンゴルや中央アジアにルーツのある少数派ハザラが多く住む。ハザラ系の多くはイスラム教シーア派教徒ということもあり、この地区ではスンニ派武力勢力による攻撃が頻発している。

BBCのシカンダー・カーマニ・アフガニスタン特派員によると、武装勢力イスラム国(IS)はハザラを異端とみなし、一般住民らを狙った残忍な攻撃を繰り返してきた。これまでに、スポーツ競技のホールや文化センター、教育施設などに爆弾が仕掛けられ、多数が死亡しているという。

アフガン政府は反政府武装勢力タリバンの攻撃だとしているが、タリバンは関与を否定した。

米軍の完全撤退を前に

アフガニスタンでは、駐留米軍が9月11日までの完全撤退を予定しており、暴力事件が増加している。米国務省は8日、今回の攻撃を「野蛮な攻撃」と非難し、「暴力を直ちに終わらせ、罪のない民間人を意味もなく標的にするのを直ちにやめるよう求める」と声明を出した。

欧州連合(EU)のアフガニスタン代表部もツイッターで、「主に女子校の生徒たちを標的にしたこの攻撃は、アフガニスタンの未来を攻撃したことになる」と糾弾した。

ノーベル平和賞の受賞者で、女性が教育を受ける権利の拡大を唱えてきたマララ・ユサフザイさんは、「カブールでテロリストらが、女子が大多数を占める生徒たちを狙って、恐ろしい襲撃をした。テロリズムの激化はアフガニスタンの平和と民主主義を危うくしている。世界の指導者たちは結束して学童を守らなくてはならない。カブールの学校で犠牲となった人たちの家族に思いを寄せている」とツイートした

パキスタン出身のユサフザイさんは、2012年にタリバンによって頭部を銃撃されたが、一命を取り留めている。

今回の爆破があった地区では、ほぼちょうど1年前にも、病院の産科病棟が攻撃され、女性24人や、乳幼児を含む子どもらが死亡する事件が起きている。

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