オリンピック事前合宿中止相次ぐ [新型コロナウイルス] – 朝日新聞デジタル

オリンピック事前合宿中止相次ぐ [新型コロナウイルス]  朝日新聞デジタル…

 新型コロナウイルスの感染拡大で開催を危ぶむ声もある東京五輪パラリンピック。五輪開幕が2カ月後に迫る中、参加国の事前合宿が相次いで中止となっている。交流を深めるなど、受け入れ準備を進めてきた県内の自治体も対応に追われている。

 事前合宿は選手が日本の気候や時差に慣れるために大会前に実施する。県内では16市が13の国と地域を迎える準備を進めてきた。

 静岡市では、スペインモーリシャスの事前合宿が中止となった。両国から中止の申し出があったという。スペインバドミントンモーリシャスは柔道、水泳など7競技とパラリンピック陸上の代表チームが6月末~7月中旬に合宿を予定していた。

 同市では、6月に台湾の陸上選手団の合宿も予定されていたが取りやめた。感染状況などをみて、五輪後に改めて強化合宿として実施するという。

 市の担当者は「お迎えしたかったが、コロナでは仕方がない。ホストタウンとして交流を深めてきたので、今後も何らかの形で続けていきたい」と話す。

 浜松市ではブラジルのボートや野球、柔道、卓球など7競技の選手やコーチら162人が事前合宿を予定していた。このうちボート競技は同市での事前合宿を取りやめ、今月になって「選手村に直接入る」と連絡があったという。野球、ラグビーは出場権を得られなかった。市担当者によると、事前合宿参加者は約半分の79人となる見通し。

 焼津市で事前合宿を予定していたモンゴルレスリングと3人制バスケットボールチームは、新型コロナの感染拡大に加え、出場権獲得がかかる予選が大会直前に控えていることから合宿の中止を決めた。

 モンゴル伊豆の国市でも柔道の事前合宿を予定していたが、中止の方向に。合宿後、いったん帰国し、五輪本番直前に再び来日するスケジュールを組んでいたが、モンゴル国内でも感染が拡大していることから、市側との協議で実施は困難との認識で一致した。

 一方で、実施に向けて準備を進める市もある。沼津市では、カナダフェンシングが7月12~22日に事前合宿を予定。袋井市は一部競技を除いたアイルランドの拠点となる。市担当者は「アイルランド側と日々メールやズームでのやり取りをしている」と話す。三島市では7月中旬に、男子バレーボール米国代表チームの事前合宿が予定されている。米側から14日に、東レ三島工場体育館で予定通り行うという旨の連絡があったという。

 最後まで調整を続ける自治体もある。スペイン卓球チームが事前合宿を予定している湖西市では、スペイン側と「詰めの段階」という。日本の感染状況を見ながら実施するか、直接選手村に入るかメールや通訳を介してのオンラインで連日やり取りを続けている。

 市の担当者は「入国の準備などもあるので時間はあまりない。早々に実施できるかどうか決めたい」と話す。(須田世紀、南島信也、玉木祥子、中村純)

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