東京五輪でモンゴル重量挙げ(ウエートリフティング)選手団のホストタウンを務める茨城県行方市が、対応に苦慮している。開幕まで50日を切りながら、事前合宿の日程が定まらないためだ。「毎日、連絡は取っているのだが」。職員に焦りがにじむ。
モンゴル重量挙げ協会は2019年7月に行方市と受け入れに伴う協定を締結。同年8~9月に合宿し、市民らと交流を深めた。市側も地域おこし協力隊員に同国の女性を任用、学校給食でモンゴル料理を供するなど、国際理解教育に努めている。
モンゴルのライフル射撃と空手の選手団が、桜川市や城里町での合宿中止を相次いで決めた際も、重量挙げ協会側からは「高温多湿の気候になれるため、合宿を行いたい」との意向が行方市に伝えられた。
一方で、詳しい日程は今も不透明だ。市は、選手団員の宿泊場として、市内の温泉旅館を仮押さえ済み。協会側に連日、メールや電話で日程を知らせるよう催促しているが、新型コロナウイルスの影響か、代表選手が今も未決定といった情報もあるのが現状という。
受け入れに際しては旅館の従業員や市職員らへのワクチン接種も必要となる。「7月中旬の開始がぎりぎりの日程。6月中には決断してほしい」と担当職員。市は21年度予算に関連事業費約1100万円を計上している。【根本太一】