2021年06月16日20時28分
サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選で、日本で集中開催されたF組は15日に全日程を終えた。日本を含む参加5カ国が外部との接触を断つ「バブル」に入ったが、一部で新型コロナウイルスの影響による混乱が見られ、競技の公平性に疑問が生じる事態もあった。
キルギス代表では、来日直後に選手1人の新型コロナ陽性が判明すると、来日時の航空機内での座席状況などにより、スタッフを含め19人が濃厚接触者と認定された。モンゴル戦当日になって、GK全員を含む選手5人の欠場が決まり、0―1で敗戦。ミャンマー戦は大勝したが、GK不在が続いた。
追加招集したGKは、最終の日本戦前に合流。F組2位も狙えた中で、最終成績は2位と勝ち点3差の3位だった。クレスティニン監督は「与えられた状況でベストを尽くした」と言い訳はしなかったが、果たして本心だったのか。日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、「国の規定にのっとってやってきた。キルギスも納得してくれたと思っている」と話した。
東京五輪でも、不利な状況を受け入れてでも競技に臨まなければならない可能性もある。日本オリンピック委員会(JOC)の副会長も務める田嶋氏は「いろんな問題が起きることは、五輪組織委にしっかりリポートしたい」。公平性の担保は、スポーツの根幹。誰もが納得できる解決策を探れるか。