東京五輪・パラリンピックの自転車競技(トラック、マウンテンバイク)に出場予定のオーストラリアとオランダの競技団体が、選手約五十人を選手村ではない伊豆の国市内に宿泊させることを希望し、宿泊施設二カ所と交渉中であることが十七日、分かった。市は早ければ七月中旬にも滞在が始まるとみて準備を進めるが、新型コロナウイルスの感染対策が十分にとられるかが問われそうだ。(渡辺陽太郎)
両競技は伊豆市で開催され、大会組織委は同市の「ラフォーレリゾート修善寺」を、選手が滞在する選手村の分村にしている。だが入村は義務ではなく、村外に自己手配した宿泊施設への滞在も可能。最新のプレーブック(規則)では自己手配施設は、組織委の「宿泊ガイドライン」への適合が求められ、不適合なら組織委は変更を求める。
伊豆の国市によると両国の選手は施設のワンフロアを貸し切り、五輪開幕前からパラの自転車競技終了まで一カ月以上、出場予定に合わせ交代で滞在する予定という。
大会期間中の新型コロナウイルスの感染防止対策は組織委が担うが、期間外は市の責任となる。市は毎日、選手にPCR検査を受けてもらい、体調を崩した際に治療を受ける医療機関の確保などが必要になる。
新型コロナの影響で中止になったが、市は柔道のモンゴル代表の事前合宿受け入れに向けた準備を進めていた。そのノウハウで対応する。だが担当者は「大会期間と期間外の定義が明確でなく、どれくらいの期間、責任を持つのか不明だ。交渉中の施設が不適合となる可能性だってある。組織委は迅速に情報を提供してほしい」と話した。
県と市は今年初め、交渉の情報を得た。組織委からは情報提供がなかったという。県の担当者は「リスクを考えれば分村だけにしてもらいたい。把握しているのは伊豆の国市の件だけだが、他の市町の施設が交渉していても不思議ではない」と話した。
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