アフガニスタンの首都カブールで8日、中学校の近くで爆発があり、少なくとも30人が死亡し、数十人が負傷した。
地元当局によると、生徒たちが下校しようとする時間に爆発が起きた。ソーシャルメディアには、学校近くの道路に通学かばんなどが散乱する様子の画像が投稿されている。
教育省によると、被害者の多くは女子生徒だという。男女共に通う学校で、3部制に分けて授業を行っており、爆発当時は2つ目の時間帯で学ぶ女子生徒たちの下校時間だったという。
複数の目撃者は、爆音を3回聞いたと話している。
反政府勢力タリバンは関与を否定している。
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地元当局は、爆発は自動車爆弾によるものとみている。今回の攻撃のねらいは、はっきりしていない。
地元報道によると、市内はラマダン終了を祝うイード・アルフィトルに向けて買い物客で混雑している。
現場はカブール西部のダシュト・エ・バルキ地区。モンゴルや中央アジアにルーツのある少数派ハザラが多く住む。ハザラ系の多くはイスラム教シーア派教徒。この地区では、スンニ派武力勢力の攻撃が頻発している。
米国務省は今回の攻撃を「野蛮な攻撃」と非難し、「暴力を直ちに終わらせ、罪のない民間人を意味もなく標的にするのを直ちにやめるよう求める」と声明を出した。
欧州連合(EU)のアフガニスタン代表部はツイッターで、「主に女子校の生徒たちを標的にしたこの攻撃は、アフガニスタンの未来を攻撃したことになる」と非難した。
アフガニスタンでは、アメリカが9月11日までに駐留米軍を完全撤退させる方針で、すでに撤退作業に入っている。
一方で、タリバンはアメリカがトランプ前政権と合意した5月1日までの撤退を履行しなかったことを理由に、外国部隊への攻撃中断の約束は無効になったと主張している。さらにアフガニスタン軍との衝突も激化している。