
日本はミャンマーに10-0で勝利して、ワールドカップ最終予選進出を決めた。 試合前、無観客のフクダ電子アリーナには外から聞きなれない言語でのコールが響いていた。「ミャンマー・サッカーチームは国民の代表ではない」というものだった。 ■【動画】日本代表vsミャンマー代表戦のハイライト 前回のヤンゴンでの日本戦から多くのメンバーが入れ替わった。国軍への抗議を示して、代表入りを断った選手も多くいるという。 日本に働きに来ているミャンマー国民は多い。看護師として働いている人もいる。彼らはアウン・サン・スー・チー氏の写真を掲げてクーデターによって政権を掌握した軍部への抗議の声をあげていた。 前日、吉田麻也は「ミャンマーの国内情勢は相手には難しい状況だと思いますが、選手としてはスポーツと政治は切り離して考えてほしいですし、サッカー選手として試合に集中して臨みたい」と語っていたが、アジアのサッカーについては警鐘を鳴らしていた。
■モンゴルよりは強かったが…
「ワールドカップ出場枠(現在4.5)を考えると、本大会でアジアのチームがグループステージでいつも敗退する一方で、欧州では強いチームでも出られない状況があると、出場枠が変わることにもなります。世界大会でアジアのチームが結果を出せるようにするためには、アジア全体でのレベルアップを考えていかないといけません。現在の予選方式がアジアのチームにとってプラスになるのか。いい試合をたくさんして、得点をたくさん獲って問題提起になったらいいと個人的には思っています」 ミャンマーは3月に同会場で戦ったモンゴルよりは強かった。攻撃の姿勢も見せて来た。 それでも、8分に南野拓実の先制ゴールで始まった日本のゴール・ラッシュは大迫勇也の5発、守田英正、鎌田大地、ロスタイムでの板倉滉と続いた。 リストの23人は海外19クラブの選手で構成された。ただ一人「無所属」になって話題を提供した形になった浅野拓磨を除いては。その浅野も後半元気な姿を見せてくれた。 酒井宏樹や長友佑都を見るのは久しぶりだった。 GKの川島永嗣はかなり暇そうだったが、背番号1をつけて声をあげていた。 変則の日本での予選集中開催がもたらした5連戦だが、Jリーグ勢がここに加わるとフレンドリーマッチを含めていろいろな組み合わせが見られることになるだろう。