YBC山形放送
31日午後、山形県酒田市でツルの一種で、日本国内には生息していない「アネハヅル」の群れの姿を山形放送のカメラがとらえた。この時期に国内でアネハヅルの群れが目撃されるのは初めてとみられている。 6羽のアネハヅルが、カメラを警戒しながらも休耕田で盛んに虫をついばんでいた。31日朝、YBCに視聴者から「けさ8時前に酒田市の田んぼで珍しい鳥を見かけた」と情報が寄せられた。
鹿児島県にある国内唯一のツル専門の博物館「クレインパークいずみ」によると、アネハヅルは主に中東からモンゴルにかけて生息していて、高度5000メートルから8000メートルのヒマラヤ山脈を越えて移動する個体もいるという。
この時期の日本での目撃例はほとんどない。 クレインパークいずみ学芸員・原口優子さん「この時期はモンゴルなど繁殖地にいるので本来は日本にはいない。アネハヅルは日本で越冬するツルの中でも数が少なく、6羽という多さも珍しい」 また、日本野鳥の会によると、県内での目撃も初めてとみられる。 日本野鳥の会県支部・清野信行事務局長「アネハヅルの目撃は野鳥の会の記録にはない。非常に驚き、びっくりしている。こんなことがあるんだと」 アネハヅルの日本での目撃例は冬の時期に越冬のために飛来し、鹿児島県などで発見されたことはあるものの、冬以外の時期に群れが目撃されるのは国内初とみられている。
野鳥の会は「アネハヅルは迷って山形に来たので、見かけたときは刺激せずにそっと見守ってほしい」と呼び掛けている。