【ミャンマー戦|戦評】力の劣る相手への“全力勝負”。賛否は分かれるも見えた指揮官の信念 – サッカーダイジェストWeb

【ミャンマー戦|戦評】力の劣る相手への“全力勝負”。賛否は分かれるも見えた指揮官の信念  サッカーダイジェストWeb…

[カタール・ワールドカップ・アジア2次予選]日本 10-0 ミャンマー/5月28日/フクダ電子アリーナ

 6戦全勝。37得点・0失点。2試合を残してカタール・ワールドカップのアジア2次予選を突破、最終予選進出を決めた森保ジャパン。結果を見れば文句のつけようのない成績である。

 アウェー戦では苦戦も強いられた。雨期のミャンマーでは高温多湿な環境への適応を求められ、人工芝のグラウンドだったタジキスタン、芝が大いに荒れていたキルギスではピッチ状況にも悩まされた。

 それでも無失点で勝ち続け、王手をかけて迎えたミャンマー戦は10-0の大勝。14-0で下した3月のモンゴル戦に続く、2試合続けてのふた桁得点での勝利だ。これは日本代表にとって国際Aマッチで初の記録だという。

 確かに明らかに力が劣るミャンマーやモンゴルとの、しかも日本でのゲームで、主力メンバーを起用する必要があったのか、疑問の声は理解できる(モンゴル戦は本来、アウェーで行なわれるはずだったが、モンゴル国内の新型コロナウイルス感染の影響で日本で開催)。

 それでも森保監督は、この2戦でチームの方向性を改めて示したと言えるだろう。どんな時も全力で臨み、その時の“ベストな11人”で、相手をリストペクしながら勝利を目指す。そのうえでチーム、個人の力の向上を図る。

 ある意味“愚直”とも言える戦い方であるが、それを選手たちも理解し、「相手どうこうではなく自分たちが何をできるか意識する」と口を揃えていただけに、チームとしてまとまりを持って戦えたとも言える。高い目標を持ち続ける限り、どのような試合でも進化を続けられる――指揮官の信念のようなものがそこには感じられた。

 その結果が14-0、10-0の大勝であり、実力差がいくらあったとしても、最後までアグレッシブに戦い続けるとの意志統一がなければ、なかなかここまでの差はつかなかっただろう。

 さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響も背景にはあった。2020年にはワールドカップ予選がストップし、10、11月の欧州での活動しか行えなかった森保ジャパンだが、コロナ禍での強化において、日本代表として何ができるのか、指揮官は改めて代表の意義をチームに問いかけたという。その姿勢は感染予防を徹底し、欧州組も招集して国内で行なっている今年3月や今回の活動にも通じている。

「私たちの戦う姿を見てもらい、元気であったり勇気であったり、励ましのメッセージを届けたい」

 森保監督は常々、その想いを伝えてきた。

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