東京五輪の開幕まで40日余りとなり、外国選手団の事前合宿を受け入れる茨城県内の自治体などで、大会関係者らへのワクチン接種が始まっている。県による警察官への先行接種も行われる予定だ。
潮来市では8、9の両日、約30人ずつ分けて接種が行われた。ベルギー、スウェーデン、ノルウェー、ナミビア4カ国のカヌーやボート競技の事前合宿が予定されており、運営に携わる県ボート協会や市職員、宿泊施設の従業員が対象となった。市の担当者は「高齢者接種の7月末完了にめどが立ったから」と話す。
モンゴルのウェートリフティングチームが事前合宿を予定している行方市も、運営にかかわる市職員をワクチンのキャンセル待ちリストにいれた。今後、宿泊事業者もリストに入れる予定だという。
県は13、14の両日、県庁福利厚生棟の大規模接種会場で、7月22日からカシマスタジアム(鹿嶋市)で始まるサッカー競技の警備に携わる計約千人の警察官にモデルナ製ワクチンを接種する。
大規模会場での周辺6市町(水戸、那珂、鉾田、小美玉、茨城、城里)の高齢者への接種は今月19日から始まる。警察官を先行させた理由について、大井川和彦知事は「県警本部の要請を受けた例外的な対応」と説明する。県は、必要とされる4週間の接種間隔も考慮したという。(村山恵二、鹿野幹男)